Career Step
02

R&D・SE・営業・スタッフ

千葉 祐 2005年入社

さまざまな業務経験を活かし、現在は次世代コネクティッドカーの基盤開発に携わる。家庭では家事にも協力的なイクメンパパ。休日はだらだらしたいと思っていても、暴力的な可愛さを発揮する2歳の娘の要望には勝てそうにない。

1Prologue

研究開発ではなく
営業職を希望

私は学生時代、人工知能に関わる研究をしていました。当時は第3次AIブームの火付け役となるディープラーニングの登場前夜で、人工知能の氷河期と言われた時代です。修士課程を修了して、博士課程への進学と就職の二者択一を迫られたとき、私の脳裏に浮かんだのは研究者生活を続けても自分の研究テーマが社会に役立てるのはまだまだ遠い未来のことだという客観的判断です。ならば研究室に閉じこもるより、技術やノウハウを社会に還元し、他の人を幸せにできるような仕事をしたい。そう考えて企業への就職を決意しました。就職活動では、それまで自分が培った技術が活かせるIT関連の企業を中心に検討しました。最終的にNTT DATAを選んだのは、研究寄りではなく、顧客に寄り添ったビジネスを展開していると感じたからです。もちろん技術開発、研究開発は大切ですが、それをどう社会に役立てていけるかが私にとっては重要なポイントでした。だから希望も研究開発ではなく営業職。ビジネスと暮らしの最前線で課題解決に役立ちたいと考えていました。

そのため、研究開発部門に配属されたとき、正直残念な思いでした。ただ、企業の中で自分の技術力を磨くことが、将来自分のキャリアップにつながると考え、前向きにR&Dの業務に打ち込んだ記憶があります。入社当時は、学生時代の研究生活の延長線上のように感じていましたが、2年目に当時倍くらいも年の違う先輩社員とタッグを組むことになり、その先輩との仕事を通してビジネスとしての仕事への取り組み方や心構えを学ばせていただきました。フラットに自分の意見をぶつけていける方だったので、対等に意見交換させていただきながら自分の仕事スタイルの基盤を作ることができたと思います。R&Dで最新技術を勉強しながら、他の会社の方々と連携して技術開発を進める仕事は、大学の研究と同じような面白みを感じてはいましたが、やはり営業をしたいという思いはずっと持ち続けていました。

2Change

お客様に近い場所で

2年目の後半から、研究成果を実際の商用開発に適用するプロジェクトに参画するようになりました。それが大規模システムのオープン化です。現在では当たり前となったオープンシステム(様々な開発元のソフトウェアや機器を組み合わせて構築されたコンピュータシステム)ですが、当時、大量のデータを取り扱う大規模システムはメインフレーム(大型コンピュータ)が主流でした。

私が担当したのはある金融機関の基幹システムのオープン化です。お客様の事務センターにSEとして常駐し、脱メインフレームを目指しオープンサーバへ移行するプロジェクトを担当することになりました。お客様先にはさまざまなNTTデータグループ各社のSEが常駐しており、私はその混成メンバーのプロジェクトリーダーとして、お客様との打ち合わせや、開発推進をリードする役目を担いました。先端技術の導入にはお客様の期待と不安が相半ばします。実際にシステムを利用されるお客様と会話してニーズを探り、ていねいに説明を重ね、システム開発を主導することは難しさもありましたが、新鮮な喜びを感じる方が多かったです。ヒアリングに始まり、設計から開発、そしてシステムの稼働まで、すべての過程を体験したことで、やはり自分は顧客に近い位置で仕事をすることが合っているし、楽しいし、やりがいを感じられると改めて確信することになりました。また、このとき一緒に開発に携わったNTTデータグループ各社のメンバーには、私と同年次くらいの人も多く、仕事はもちろん仕事以外でもいろいろ意見交換し、たくさんの刺激を受けました。苦楽を共にしたその時のメンバーとは、今でも連絡を取り合い、刺激を与え合えるいい関係を続けています。

3Breakthrough

ビジネス提案の
チャンスと苦労

金融機関にSEとして常駐していた頃、当時の上司であった部長から新たなミッションを依頼されました。金融機関に提供したソリューションをもとに、他企業に新しい提案をして欲しいというのがその内容。提案内容の検討、体制構築の検討、提案までを1人称で実施する絶好のチャンス、と今なら思うのでしょうが、当時はとても戸惑いました。業務内容はやりたいと思っていた営業職の色彩がとても強いものですが、それまで自身の経験が技術開発側だったので何から手を付ければいいのかさえわからなかったからです。それでもログ解析ツールなど、自身の開発経験から必ずビジネスに役立つと思われるサービスを企画し、試行錯誤しながら提案書にまとめ、ある企業に提案するまでにこぎつけました。結果的に提案は受け入れられませんでしたが、それ以降同じような提案の機会をいただくことになり、前の失敗を繰り返さないようPDCAを回しながら、受注に向けて自分なりに一生懸命に取り組みました。当時は、わからないながらに営業プロセス関連の本を買って読んでみましたし、それまでまったく手を付けたことのなかった会計関連の勉強を始めたのもこの時期です。努力の仕方は人それぞれで正解はないと思いますが、私の場合は、自分で汗を流す、手を動かすことが自分にできる最善策だと考えました。それが効率的だったかどうかはわかりませんが、その時の体験と努力は徐々に、しかし確実に身になっていったと思います。

4Turning Point

念願の営業、そして広報へ

入社5年目、折あるごとに口にしていた希望が叶い、営業職に異動することができました。以前から営業業務に一部関わってはいたものの、やはり営業職としてはゼロに近い状態からの再出発です。改めて一から営業業務を学んでいくことはとても大変であり、また楽しかったです。扱うのはクラウドサービス。当時はクラウド自体が新しいサービスであり、ソリューション営業としてサービスの企画立案から提案、検証、実際の導入までを責任をもって提供するためには幅広い知識が必要であり、開発時代の知見は大いに役立ちました。また、営業として会社の利益に貢献するため、事業企画や経営に関する勉強にも積極的に取り組みました。今振り返っても、この時期の勉強や経験、仕事の仕方が、今の自分の基礎を作っていると思います。

ただ、私の営業時代は長くは続きませんでした。5年ほど営業を経験した後、課長就任を機会に今度は広報部に異動になりました。それがふたつ目のターニングポイントになりました。広報部は、それまでの自分の経験が全く通じない特殊な担当で、最初の3か月はブランディングや、広報業務に関わる勉強に没頭しました。広報部での業務は2年強と短かったのですが、自分が関わったことのない部署の方や、経営層と近い距離で仕事をするため、人間関係の強化や会社の動き、NTT DATAを理解するという意味では貴重な経験をすることができたと思います。
広報部に所属していた時、私がもっとも力を入れたのが企業ブランディングです。NTT DATAはB to B(to C)の企業です。ならばブランディングの要となるのは商品ではなく社員そのものであるべきです。そこで社内向けサイトの刷新プロジェクトを発足。ほかにもFacebookの公式サイト立ち上げなど、社員に向けたブランディング活動を展開しました。

5Innovation

すべてのキャリアを
集結させて

広報部の業務は高い視座から企業を俯瞰することが大切です。広報を経験してソリューション営業時代の自分を振り返ると、やはり目線が低く、目の前のことにとらわれ過ぎていたと感じました。そこで広報時代はブランディングの勉強だけではなく、マーケティングや経営の勉強も積極的に行うようになり、また、再度、現場の企画・営業担当に戻って、ビジネスを自分で作っていく仕事ができるように準備を進めていました。英語の勉強も始めましたのもこの頃です。広報部でグローバルな仕事をする機会が増えたのもありますが、自社のビジネスの将来を考えた場合に、やはり海外のマーケットを見据えた企画が必須となるのは間違いありませんでした。今後、そういったグローバル案件に自分が主体的にかかわるためにも英語能力は必須と考えて、学習に取り組みました。

広報部の次は営業に戻らず、現在は製造ITイノベーション事業本部で次世代のコネクティッドカー基盤の技術開発に従事しています。コネクティッドカー基盤の技術開発プロジェクトは不確定要素が多く、とても難しいプロジェクトですが、これまで経験したことがさまざまなシーンで活かされていると感じます。未来を俯瞰するという広報時代に手にした視点や、お客様の潜在的なニーズを探り出し付加価値を生み出す営業時代のノウハウ、二律背反する技術課題にチャレンジする開発時代のスピリッツ。そのすべてを集結させて、今のプロジェクトに取り組んでいます。

6Future

次代のNTT DATAを担う
ビジネス開発を

コネクティッドカーと聞くと、多くの方はインフォテイメント(インフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)の両要素の提供を実現するシステム)や自動運転を思い浮かべると思います。しかし、未来の自動車はそれだけにとどまらない多くの可能性を秘めています。たとえば自動車の制御データをリアルタイムでやりとりすればドライビング状況が正確に把握できます。さらに車載カメラの映像を解析すれば渋滞予測などももっと精密に行えるようになるでしょう。しかし、そのデータ量はけた違いのビッグデータとなり、それらを適切に収集、格納、処理する基盤システムが必要となります。その基盤システムの開発が現在私の取り組む課題であり、実現すれば社会への貢献度は非常に大きなものとなります。学生時代に考えていた、技術を社会や人に役立てるという私の願いが大きな実を結ぶのもそう遠いことではありません。

NTT DATAで、私は広い業務経験を積ませてもらいました。今考えると、同じ領域を極めるよりも、新しいことにチャレンジをさせてもらえたことが自分自身のモチベーションにつながってきたと思います。私も入社年次的に、ミドルマネージャとして組織を引っ張っていくことを求められる立場になりました。これからは自分の課題というよりも、経営の視点から将来のNTT DATAの根幹を担うような新しいビジネスの開発に向けて、チャンレンジを続けていきたいと考えています。

※掲載内容は取材当時のものです