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営業
五十嵐 里佳 2007年入社営業にもっと大切なのは相手の立場にたって考えること。仕事を突き詰めれば最後は人と人だと思う。そのときどきで出会った人に対して、個性を見出し尊重する。そうすれば必ず実りあるコミュニケーションが生まれると信じている。
初仕事は
韓国での貿易制度調査
私は父の仕事の関係で、長く海外で暮らしてきました。小学校低学年はエジプトのカイロで、高校時代はグアムで。そして大学4年間は米国ワシントン州シアトルで一人暮らしを経験しています。NTT DATAとは、日系・外資企業による海外大卒の採用フェアで出会いました。もともとは船会社や航空会社など、世界中の人々をつなぐ仕事に憧れを持っていたのですが、面接員とのやり取りを通して、NTT DATAが私の興味を抱いていた業界を含めさまざまな分野で、ITの力を駆使した課題解決を行っていることを知り、そのビジネス領域の幅広さに興味を感じました。また当時はNTT DATAがグローバル展開に力を注ぎ始めた頃で、私自身がグローバル感覚を活かしその土台を作っていけるということにも魅力を感じ入社を決意しました。

最初の配属先は公共分野です。営業担当として、通関・税関関連システムの新規サービス立上げに関わりました。日本の輸出入通関のしくみを担う重要な役割であり、国として次のステップを見据えた領域。今思うと、グローバルという自身のバックグラウンドとも合致していたように思います。初仕事は港湾・輸出入システムに関するアジア6か国調査案件でした。通関システム構築の前段階として各国の通関制度を詳細に調査するプロジェクトに参加し、私は韓国の調査を一人で任されました。まだ自国の貿易知識もままならないのに初の海外現地調査。しかも3カ月という納期というプレッシャーのなかで、貿易実務を勉強しながらインタビューを行ったことを鮮烈に覚えています。痛感したのはチームワークの大切さ。それぞれが進捗を報告しあい、チーム内でその都度負担分を調整することで期限内にすべての調査を終えることができました。また現地でのヒアリング時に、単に「教えてください」というスタンスではなく、日本の情報もシェアしつ、意見交換を行うことでスムーズに調査を進められたことから、Give and Takeの関係構築が重要だと学んだことも大きな収穫でした。

企画型ビジネスで
営業の醍醐味を実感
当社のビジネスモデルは大きく「企画型」と「受注型」の2つに分けられます。受注型ビジネスは特定のお客様のご要望に応じてサービスを提供する形態。企画型は、当社が開発したサービスを複数のお客様に提供する形態です。私が主に担当したのは、企画型案件の立ち上げでした。現在進行形のプロジェクトを進めつつ、新しいサービスを企画するのは思ったより大変であり、しかしワクワクするものでした。
新規サービスの企画立案プロセスは、「あったら便利だな」というサービスを考えることから始まります。まずは海外事例等を参考に自社の強みが活かせるアイデア出し。その後「チーム内ブレスト(ブレーンストーミング)」→「お客様ヒアリング」→「お客様にいいねといってもらい、感触をつかむ」→「賛同者を増やし、ブラッシュアップ」といった仮説検証サイクルを回すことでアイデアに具体的な肉付けをしていきます。新規サービスの企画が固まっても、今度はファーストユーザ獲得までの険しい道のりが待っています。新しいサービスほどお客様はその効果や実績を確かめてから導入したいという意識が働きます。そしてサービス利用者が増えないと、その後のシステム改善にも支障をきたします。いかに早くファーストユーザを獲得するかが新規ビジネス成功のカギを握るのです。

突破口は地道な営業活動からしか生まれません。テレアポ、ドアノック、あらゆる機会を活かして営業提案を重ねます。あるときセミナーで隣席になった方と名刺交換し、それをきっかけに新サービスの受注につなげたことがあります。後にいただいたのは「五十嵐さんの勤勉さにひかれ、ぜひ貴社の話を聞こうと思ったんだよ」との嬉しいお言葉。当時の上司やチームメンバーにも「五十嵐さんのコミュニケーション力の成果だね」と言ってもらい、営業の喜びを噛みしめ、小さな自信になりました。

本気でぶつかり合うからこそ
いいものが生まれる
入社4年目に金融分野へ異動。電子記録債権プロジェクトの立ち上げに参加することになりました。電子記録債権は、2008年に施行された電子記録債権法に基づいて誕生した新たな金銭債権で、事業者はインターネット等で電子記録を行うことで、安全・迅速に債権の発生・譲渡等を行うことを可能とするものです。プロジェクトのミッションは金融機関が電子記録債権サービスを提供するための共通システムを構築することでした。
70以上もの金融機関が利用するものだけに、システムへのニーズは多岐に渡ります。求める機能もそれぞれに異なります。すべてのニーズに応えようとすると当然システムは大規模なものとなりサービス料も上がります。どこまでを標準機能とするか、システムの仕様設計段階の調整は難航を極めました。このままではスケジュールがタイトになると開発チームからも強い要望が出され、お客様と開発チームの板挟みです。お客様との調整の際には、必ず、複数案を提示し、各案のメリット・デメリットを分かり易く説明することを心掛けます。そしてお客様自ら選択してもらうことにより、納得感のあるご提案が可能となります。

複数案を検討する際には、原価管理を行う開発チームの知恵も必要です。お客様との間の交渉は、ときにはシビアになることがあります。そんな状況だからこそ、プロジェクトメンバとの助け合いの精神が重要です。「俺が責任とるから」と上司の心強い後押しもあって、すべてのお客様に納得いただける標準機能を決定することができました。新しいサービスをより良いものにしたいという思いは共通です。一生懸命だからこそ、お客様も全力でぶつかってくる。だからこそ成功した後の信頼関係は計り知れません。無事サービスを開始した後の、お客様からのねぎらいの言葉は、忘れられません。

10年目に訪れた
3つのイベント
入社10年目となる2016年から17年にかけて、私に大きなターニングポイントが3つ訪れました。ひとつはアプリバンキングの海外展開。ひとつは社内新規ビジネス創出コンテストへの参加と海外イベントでの登壇。そして大学院への派遣留学です。
アプリバンキングは複数の機能・サービスを、スマートフォンを通じて手軽に利用できるようにするもので、日本でのしくみをフィリピン、ベトナム、インドネシア等に展開することがプロジェクトの目的です。私が心がけたのは押しつけるのではなく、相手の立場で考えること。それぞれの国の文化や習慣を理解して、現地の人が心から使いたいと思ってもらえるサービスは何かを、チームメンバと模索しました。海外展開の在り方を考えるひとつの契機となりました。
社内新規ビジネス創出コンテストは意欲があればだれでも新規ビジネスにトライすることができる社内制度です。私は、投資したいけれど経験がなくて不安という人のために、他人との気楽なインタラクションを通じ、投資を簡単にマネ(いいね!)できる「お金のInstagram」をコンセプトとして提案しました。このビジネスアイデアは世界最大級のFinTechピッチイベントであるFinovate Springで発表することになり、日本初の登壇権獲得という栄誉に浴しました。「システム開発」というイメージの当社が、「サービスを創出するFintech企業」であることを印象付けることができたと思います。

上記の成功要因は、グローバルグループ会社の力を結集したこと。アプリ開発にはデザイン思考が求められます。グローバルで受け入れられるサービスをデザインするためにイタリアのチームのノウハウを活用しました。
また、海外の当社グループ会社と協力しデザイン専門のチームを組成しました。
サービスデザイン構築を目的とした合宿を実施。1日中議論し、時には夕食を共にする中で、信頼関係を構築。
現在、新規サービス創出を通じた更なるグローバル売上拡大に向け、グループ一体で双方の顧客・製品の理解を深めるしくみづくりが進められています。
また社内派遣制度を利用した大学院への進学は当社の女性では初の試みということもあり、迷うことなくチャレンジしました。終業後や休日を利用しての“学生生活”は忙しくも楽しい経験となりました。2年間金融法制を中心に学びましたが、これまでの業務経験をアカデミックに整理するよい機会となりました。また大学院では学生という立場を利用して、企業ヒアリングという堅苦しい調整がいらない環境で、さまざまなことが質問できましたし、多くの仲間にも恵まれました。
入社10年目から次々に恵まれたこれらの体験は、いずれも仕事への取り組み方を捉えなおし、自分のビジネスの未来を考える契機となるものでした。

AIによるデータ活用
ソリューションを発信
2018年からはデジタル時代におけるデータ活用関連ソリューションに携わっています。これはAIを利用して、これまで散在していたデータや紐づけられず独立していたデータを有機的に結びつけ、新たなサービスやビジネスに活用してくというものです。たとえば自動車は小さなネジまで数えると約3万個の部品からできています。またパーツごとに製品マニュアルが用意されており、ある個所が故障した場合、膨大なマニュアルを参照しながらその対処に当たらなければなりませんでした。しかし、それらのデータを一元管理すれば、すぐにタブレットでマニュアルを参照できますし、同様の事例などもすぐに検索できるようになります。企業に散逸する膨大なデータは大きなビジネスチャンスにもなるのです。
私はこの戦略部門でプロモーションを担当しており、アナリストとのディスカッションなどを通して、データ活用関連ソリューションの可能性や未来について広く社会に発信しています。

出産・育児の経験を経て、
更なる機会に期待
初めての出産に備え、もうすぐ出産休暇に入ります。もちろんその後は育児に専念します。私には双子の姉がいて、一足早く出産を経験済みです。甥や姪があれほど可愛いのだから我が子がどれほど愛しいか想像もつきません。会える日を指折り待っているところです。
育児休業は制度上3年まで利用可能ですが、家庭の環境も踏まえつつ、復帰に向けて準備をしていきたいと考えています。ITの世界はものすごい勢いで進化します。職場に戻ったときに浦島太郎にならないよう、育児中も可能な限りIT技術の動向やビジネス情報には目を通しておくつもりです。周りに、仕事と育児を両立しているお手本がたくさんいることは、心強いですね。


※掲載内容は取材当時のものです