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システムエンジニア → 営業
梅津 杏平 2010年入社いきなり最前線に飛び込んだ入社1年目、厳しく指導された営業1年目、ガツンとやられた営業4年目。そこで鍛えられた鋼のようなメンタルが自分の最大の武器かもしれない。先輩社員やお客様に育ててもらったと心から感謝している。
1年目の挑戦
私が就職活動を開始した大学3年生当時は、2008年のリーマンショック直後でした。企業が採用を手控える厳しい状況が予想されたため、一刻も早く就職活動を開始し、就活生として経験値を高める必要性を感じていました。しかし、当時は社会をよりよい方向に変えられるような影響力の大きな仕事に携わりたいという漠然とした思いを持っているだけで、そのために何から始めるべきなのかさえわかりません。悩んでいても仕方ない。考えるよりもまず行動だという発想から、まずはアルバイト先の先輩に就職活動体験を聞こうとOG訪問したのが私の最初の就職活動です。その先輩が勤務していたのがNTT DATAでした。
当時はNTT DATAという会社が何をしている企業なのかも知りませんでしたが、先輩の話を聞くうちに、意外にも身近で社会を支えている企業だということを知りました。何より自社のことを、そして自分の仕事を心底楽しげに、誇らしげに語っている先輩の姿が強く印象に残り、興味を持つようになりました。その後、本格的に業界研究、企業研究を進めるなかで、社会におけるNTT DATAのミッションやポジション、そして社員の働き方や育成制度等を知り、私もNTT DATAで働きたいと強く思うようになりました。結果的にはこの最初の“OG訪問”がNTT DATAに入社する大きなきっかけとなったのでした。

最初の配属先は第一公共システム事業部です。お客様は社会保障制度に関わる公法人で、私は開発チームの一員としてお客様の業務上の課題をヒアリングし、それを解決するためのソリューションや既存システムへの機能追加提案などを行いました。驚いたのは1年目から要件定義を通じたお客様への改善提案を任されたことです。改善提案を行うためにはお客様の業務を熟知し、かつ費用対効果や業務効率の向上などを明確に示す必要があります。とても1年目の私が容易に遂行できるレベルの業務ではなく、猛勉強するしかありませんでした。実際、お客様に出入りする他社の担当者に比べても私一人が圧倒的に若く、知識・経験の差をどう埋めるかを模索する毎日でした。そんなある日、お客様から画面レイアウトのイメージ作成を依頼された際、ご要望内容をすぐに手書きで作成し、持参したことがあります。お客様の想定よりも早く対応できたこと、また手書きでありながらもお客様が利用イメージを掴むには十分な内容であったことから、お客様に初めてお褒めのお言葉をいただきました。対応スピードと作業品質は、トレードオフの関係性にありますが、何よりも依頼の背景や目的・意図を明確にくみ取り、何を優先して対応すべきかを考える重要性について気づかされたきっかけとなりました。

大きな世界を見てみたい
2年目になると、お客様の業務への理解も深まり、お客様と直接コミュニケーションを重ねることで、少しずつ信頼を得られるようになりました。お客様にヒアリングを行い、課題を発見し、それを解決するソリューションを提案するという仕事におもしろさを感じる余裕も生まれました。しかし、その一方でより大きな世界を見てみたいと気持ちも芽生え始めました。私が改善提案を担当する範囲は巨大な基幹システムのごく一部でした。また要件定義までが私のミッションであり、システム開発のすべてを経験しているわけでもありません。もっといえば眼前の課題に取り組むだけでなく、提供すべきサービスや価値をNTT DATAとしての経営判断を踏まえて考えてみたい。そんな思いから入社3年目の頃から営業職を経験したいと考えるようになりました。開発から営業への異動のハードルは高くありませんでした。そのための制度も充実していますし、何よりも自身が希望するキャリアに対して上司が真剣に向き合ってくださったからです。その後は営業職への職種転換を見据えつつ、開発担当としてより広い経験を積み上げることを目指し、業務にあたりました。

そのひとつが、自ら改善提案を行い、お客様から開発の承諾をいただくことができた既存システムへの機能追加開発プロジェクトでした。私は要件定義から設計、製造、試験業務まで一連の業務を担当。製造・試験業務では、普段の勤務地とは異なる製造拠点に約2か月間滞在する機会を得ました。その時のメンバとの交流はとてもいい思い出です。普段の勤務地にいては見ることのできないメンバの仕事への向き合い方を目の当たりにし、ものづくりというものが拠点問わず、多くのメンバの下支えの上に成り立っていることを改めて実感しました。製造拠点のメンバとは休日も交流し、生活を共にすることで良好な関係を築くことができました。自分が社内外問わず相手の懐に飛び込み、関係を築くことが好きらしいと気づいたのもこの時です。結果として、開発時代には要件定義から設計、製造、テストをすべて経験することができ、システム開発に関わるさまざまな人と交流することができました。このシステム開発時代の経験は、いまも私の大きな財産になっています。

営業として0からのスタート
入社4年目、かねてより希望していた営業担当へ異動がかないました。お客様は中央省庁。私は数ある部局のひとつを担当し、当社が運用・保守業務を担う公的医療保険に関連するシステムを起点とした医療ビジネスの拡大に向けた営業活動を展開することになりました。入社4年目とはいえ営業としてはゼロからのスタートです。上司や先輩から営業ノウハウや営業としてのマインドについてみっちり指導をいただき、営業としてのイロハを叩き込まれました。たとえば入札は指定された仕様に対して開発コストを計算し、応札するだけと思われがちですが、それほど単純ではありません。お客様が目指すもの、求めるものは何かを正しく理解し、システム開発における重要ポイントは何か、NTT DATAの強みを発揮できるプラスアルファの価値をどうすれば提供できるのかを考え、しっかり差別化することが重要です。そのためには普段からお客様との関係を構築し、その業務内容やニーズ、課題を把握しておく必要があります。お客様のお困りごとに対して常日頃から情報提供することも重要です。しかし、営業経験が浅く、知識不足の私は、なかなか先輩たちと同じようにはできません。その悔しさをモチベーションに先輩社員から盗める知識を吸収することに努めました。モチベーションという意味では部署の異なる同期の存在も大きかったと思います。お互いに絶対に負けないという気持ちがあって、常に切磋琢磨しあえる同期の存在がモチベーション維持の秘訣になっていたと感じています。

一方新規提案営業では、ビジネスチャンスがありながらも、開発リソースの不足を理由とした案件見送りが続き、歯がゆさを感じることもありました。いくら提案のチャンスがあっても自分一人では何も成し遂げられないのです。営業としてビジネスを生み出し、成立させるには、可能な限り精度の高い予測に基づく計画を策定し、自身の強いWillを示して賛同してくれる強い仲間を探し、上司先輩等を巻き込んで進めることが大切なのだと痛感しました。以来、提案活動と並行して社内調整にも目を配り、成果をあげられるようになりました。

慢心への手厳しい洗礼
2015年、これまで経験のないお客様への提案活動へ参画することになりました。お客様が異なれば組織風土もビジネス慣習も180度変わります。そんなことは頭ではわかっていたのですが、その頃、営業として3年近くの経験を積み、それなりに成果を残していた私は少し緊張感をなくしていたのかもしれません。新しいお客様を担当した直後、あるご担当者様から厳しい洗礼を浴びせられてしまいました。それはおそらく提案内容というよりも、仕事の進め方やあいさつの仕方、話し方といった基本的なことに対する緩みへの警告だったと思います。まともにお会いすることもできず、けんもほろろに追い返されてしまったのです。いい意味で目が覚める思いでした。

そこからまたしても心機一転、再びゼロからのスタートとして、お客様からのご指導をいただきながら、決してあきらめずに、粘り強く、泥臭く、全力でClients Firstを軸に邁進することに努めました。何も特別なことをしたわけではありません。お客様の業務を熟知し、ひとつのご要望に対して、その本質が何かを考えてお応えする。ただ提案するだけでなく、実行に際しての根回し、下準備を社内に対しても進めておく。それまでさんざん鍛えられ、心がけてきたことを、お客様のビジネス慣習に則りつつ続けただけです。
信頼を失うことは一瞬。信頼を得るには日々の丁寧な積み重ねでしかないという緊張感を持ちながら、営業活動をつづけた結果、そのご担当者様から「喉から手が出るほど部下に欲しい」とお言葉をいただいたとき、ようやく営業としてひとつの壁を越えた気がしました。営業として一歩成長させてくださったそのご担当者様には心から感謝しています。

営業はビジネスの起点
以来、Clients Firstの目線を持ち続けて取り組むことが、私の営業としての根幹になっています。これはお客様からオーダーされたことをそのまま受け止めて対応することとは違います。プロの営業としてお客様を第一に考えるからこそ、お客様が進めるべき事業の方向性についてお客様以上に中長期的に考え、必要な提言を行うことが必要です。時にはその判断により一時的に関係性が悪化するような事態、短期的に当社にとってメリットが大きくない状況につながってしまうかもしれません。それでもお客様が目指すべき姿に導くために最善の提案・提言を行うことが、真の信頼関係構築につながると私は考えます。

営業はビジネスの起点です。開発に携わっていた頃は、計画通りにプロセスを実行することが何よりも重要でした。しかし営業はそのプロセス自体を自ら生み出さなくてはなりません。お客様以上にお客様を知る。何がお客様にとっての最善かをとことん考える。提案するだけでなく、その実行についても社内関係者を巻き込んで準備しておく。自分自身が動き出さない限り、何も始まらないのです。おそらくそれこそが、開発時代に私が漠然と考え、あこがれていた営業の醍醐味であり、難しさでしょう。
これまで一貫して社会保障に関わるシステムの営業に携わり、各種制度やその運用についての知識は増えてきました。しかし、重要なのは知識ではありません。Clients Firstの目線を持ってビジネスの起点となる。その気概と信念を持ち続けることです。

可能性は無限に
今後は社会保障に限らず、さまざまな分野・業界で営業としてのキャリアの幅を広げたいと考えています。IT技術の進展は、劇的なスピードで市場やサービスを変化させています。そうしたなかで営業に必要なのは、求められる価値を確実に捉えながら、NTT DATAだからこそできる提案や新規市場の開拓だと考えています。公共性が高くても、ビジネスとして成り立たない案件もあります。そこを何とかビジネスにしていくことも営業の役目です。そのためには、これまで培った知識や経験のみに頼ることなく、新しい技術や若く先入観のない斬新な発想をも柔軟に吸収し、常に自身が成長し、進化していくことが必要です。それによりお客様に対して持続的に価値を提供できることにチャレンジしていきたい。
また中長期的には、全社レベルの事業戦略や採用や育成をミッションとするスタッフ組織についても興味を持っています。NTT DATAはチャレンジできる領域に際限がなく、また希望すればそれにこたえてくれる制度も整っています。その意味で、自分の未来には無限の可能性があると考えています。

※掲載内容は取材当時のものです