PROJECT
STORY 01

営業担当
森本の視点から見る
プロジェクト

森本 雄
公共システム事業本部

Q1 プロジェクトにおけるあなたの役割とは?

営業の立場からバチカン図書館との契約締結に向けて、さまざまな提案を行いました。バチカン図書館の要望を汲み取るだけでなく、真の課題を洗い出し、方策を検討しました。例えば、慈善事業による当社の参画を当然のように捉えていたバチカン図書館に対し、ビジネスベースでの参画を提案したこともその一つです。これは、慈善事業ではプロジェクトが一過性のものとなってしまい、人類資産の保全という崇高な取り組みを継続的に実施するためのしくみの構築が困難である点に着目したものでした。

一方で、このビジネスベースでの参画の実現のためには民間企業である我々が事業として適切な対価を得ることのできるビジネスモデルを検討する必要がありました。そこで、グローバル事業本部、知的財産室、広報部、総務部、法務室、財務部などからなる全社プロジェクトの体制を整え、各部門のプロフェッショナルの方々とともに新たなビジネスモデルの検討や、バチカン市国の法制度等の徹底調査を行いました。その結果、バチカン図書館に本プロジェクト専用の基金を設立してもらい、人類の遺産ともいえるマニュスクリプトのアーカイブ化の重要性を世界中の人々・企業に訴えるプロモーションを行うことで賛同金を集め、本事業にかかる費用に充当するビジネスモデルを提案することができました。私も全社プロジェクトの調整役を務めながら、自らも知恵を出し、手足を動かしてプロジェクトを前進させてきました。

Q2 プロジェクトのなかで感じた“BORDER”とは?

イタリア現地メンバーとのテレビ会議風景

バチカン図書館にとっても前例のないビジネスモデルであったため、いざ契約の交渉が始まると、さまざまな問題が噴出してきました。商習慣がまったく異なる中で、その溝をなんとか埋めていかなければなりません。全社プロジェクトメンバーで議論した結論を持ってバチカンを訪問し、そこで折衝した結果を再び日本に持ち帰って再検討する、といったことを半年間延々と続けました。最後の最後になって「契約書の英語表現がバチカン市国的ではない。もっと崇高な表現に」と注文された時には頭を抱えましたが、これぞまさに文化の違い。“BORDER”があると感じた瞬間でした。

また、交渉の最終段階で、ビジネス上のリスクヘッジをどうするかが課題となり、時間がない中で、時差を乗り越え日本で準備してくれている営業担当の仲間や、総務部、法務室、財務部など全社プロジェクトメンバーとリアルタイムで検討し、問題を解決していった時も“BORDER”を感じました。

Q3 “BORDER”を超えたと感じた瞬間は?

初回提案の前日になってバチカン側から参加人数を制限されてしまい、プレゼンを担当する上司(営業担当部長)の通訳をするはずだった私が入室できなくなった時のことも忘れ難い思い出です。急遽慣れない英語でプレゼンをすることになった上司に、私が英訳したプレゼン内容を前夜に暗記してもらい、本番では大汗をかきながらもプレゼンをやり遂げてもらいました。慣れない英語で一生懸命説明して想いを伝えようとする姿から、我々の本気度がバチカン側に伝わり、プレゼン終了時には拍手が起きたと聞いています。
常に真摯にプロジェクトと向き合ってきた我々の姿に誠意を感じて頂き、現在の友好的な関係の構築に繋がったと感じています。今振り返れば、“BORDER”を超えた瞬間だったかもしれません。

調印式やプレスカンファレンスの調整・運営も、広報部の方々と連携しながら進めました。なんと、プレスカンファレンスの場所は、ローマ法王が会見する公式の場所とのことで、ここでも入場者数の制限やプレスリリース内容への細かい要望がありました。交渉も困難を極めましたが、ついに調印式とプレスカンファレンス当日を迎え、バチカン図書館長と当社の岩本社長や経営陣が並んでいる姿を見た時に、このために自分は奮闘してきたのだと思わず感極まりました。これも“BORDER”を超えたと感じた瞬間だったと思います。

Q4 これからチャレンジしてみたいことは?

初期検討契約書の締結後にお客様と

現在は、バチカン図書館のマニュスクリプトをアーカイブ化するというこの事業の意義を、世界中の多くの人に理解してもらい、賛同を得るためには、どのようなプロモーションが有効であるのかを考えています。プレスカンファレンスはその第一歩だったのですが、多くのメディア関係者が来場し、活発に質疑応答がなされたことに感激しました。事業をスムーズに進めるために、広報活動がとても重要であることを実感するきっかけにもなりました。

また、おかげさまでバチカン図書館の案件は世界中に大きなインパクトを与えることができ、世界各地の公文書館、図書館、美術館から引き合いが来ています。AMLADを次の国にどのように展開していくかを、それぞれの国の文化・人と触れ合いながら新しいビジネスとして構想し、提案していくことにチャレンジしていきたいと思っています。

Q5 学生のみなさんへのメッセージ。

NTTデータで働くということを考えた時に、「入社後にこれをやりたい・極めたい」というよりは、 ITで世の中を変えていけるというワクワク感、トップ企業である当社ならではのスケールを活かした、自分が想像もできないような面白い仕事ができるのではないかという期待と情熱に満ち溢れていたと思います。

最初は開発部門に配属されたのですが、担当案件の都合で1年後に営業を担当することになりました。営業はお客様と密に接しながら、まだ世の中にない新しいビジネスを考える仕事だと思います。システムを構築する開発部門にいた時とはまた違った仕事の面白さに目覚めました。今回のバチカンプロジェクトでも、前例のないビジネスモデルを創出したり、難しい契約交渉をチームの力で乗り切るなど、学生時代の想像を超えるダイナミックな仕事を経験しています。入社前に感じていたワクワク感を、まさに体感中です。

学生当時の私のように、自分の武器が何なのか今は明確にわからなくても、広い視野や熱い情熱を持って入社してくれば、自分が心から楽しいと思える仕事にきっと巡り合えると思います。何にでも挑戦することのできるフィールドがNTTデータにはありますし、これからもそのフィールドは拡がっていくと思っています。是非皆さんが若手のうちから活躍され、いつか一緒に働ける日がくることを楽しみにしています。

プロジェクトへの関わり方

OLDER NEWER

  • OCT.
    2012
  • NOV.
    2012
  • DEC.
    2012
  • JAN.
    2013
  • FEB.
    2013
    2013年2月
    NTTデータによるプレゼンテーション。森本は通訳としてローマ入りしたが、まさかの人数制限のため入室できず。営業担当者としてバチカン図書館を訪問。フレスコ画に囲まれた貴賓室で、ミーティングに臨む。
  • MAR.
    2013
  • APR.
    2013
    2013年4月
    現地でのフィージビリティ・スタディを実施。日本とイタリアを行き来しながら営業担当者としてバチカン図書館側と調整。
  • MAY
    2013
  • JUN.
    2013
  • JUL.
    2013
  • AUG.
    2013
  • SEP.
    2013
    2013年9月
    契約に向けた交渉が始まるが事業費の負担を巡り難航。全社プロジェクト体制にて、前例のないビジネスモデルを創出・提案する。
  • OCT.
    2013
    2013年10月
    交渉打ち切りの示唆を受け、アポイントもないまま上司と共に急遽ローマへ。バチカン側の技術責任者と信頼関係を築いていた杉野と共に3日間粘って面会にこぎつけ、交渉継続となる。
  • NOV.
    2013
  • DEC.
    2013
    2013年12月
    契約交渉が大詰めとなり、ローマから日本と連絡を取り細部まで詰める。
  • JAN.
    2014
  • FEB.
    2014
    2014年2月
    3月の調印式、プレスカンファレンスに向け準備を始める。当日の招待者・段取り、プレスリリース内容などを巡る調整が難航。
  • MAR.
    2014
    2014年3月
    4年間の初期契約を締結。調印式及びプレスカンファレンスに立ち会う。ローマ法王も使用する公式の会見場で執り行われた。
  • APR.
    2014
  • MAY
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  • JUN.
    2014
  • JUL.
    2014
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    2014
  • SEP.
    2014

他のプロジェクトメンバーの視点

開発統括

杉野 博史

杉野 博史

公共システム事業本部

工学研究科 原子核工学専攻修了。1990年卒。プロジェクトマネージャーおよびアーキテクト(システム設計に関わる技術者)として、公共システム事業分野で数々のシステム提案及び開発を手がけてきた。

このメンバーのインタビュー

開発担当

高橋 由香

高橋 由香

NTTデータ イタリア出向中。

情報学研究科 社会情報学専攻修了。2006年入社。公共システム事業本部に配属となり、国立国会図書館デジタルデポジットシステム開発、AMLAD開発を手がけた。2014年からNTTデータ イタリアに出向し、現地の電子化チームのリーダーとしてバチカンプロジェクトを遂行している。

このメンバーのインタビュー

※掲載内容は取材当時のものです

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