PROJECT
STORY 01

開発統括
杉野の視点から見る
プロジェクト

杉野 博史
公共システム事業本部

Q1 プロジェクトにおけるあなたの役割とは?

初期提案・契約段階では技術営業としてチームをサポートし、AMLADを用いたデジタルアーカイブのしくみをわかりやすく説明しました。契約後はプロジェクトマネージャーとして、バチカン図書館との要件調整などプロジェクトの全体統括を行っています。今回のプロジェクトでは、社員をNTTデータ イタリアへ出向させる形態で現地に送り出しましたが、そのメンバー選定も行いました。現地で活躍してくれている高橋さんはその1人です。

半月ペースで日本とイタリアを行き来しており、日本とイタリアの現地メンバー間の円滑なコミュニケーションに腐心しています。普段からメールやテレビ会議などで密に連携を取るように心掛けていますが、同じプロジェクトでも物理的な場所が離れていると、いつの間にかメンバー間に無意識に壁が出来てしまい、「それはイタリアの仕事」「それは日本の仕事」と互いに枠組みを決めたり、認識齟齬が起きがちだからです。立ち上げ当初はバチカン図書館とのリレーションも重要な役割でしたが、今は現地メンバーがしっかり対応してくれているので安心して任せています。

Q2 プロジェクトのなかで感じた“BORDER”とは?

バチカンでの記者会見後、NTTデータイタリアのメンバーと

文化と言葉の違いは、いろいろな場面で“BORDER”として感じています。例えば、システムの概要を決める打ち合わせでは、お互い母国語がイタリア語と日本語というノンネイティブ同士であるため、通じていると思っていた英語が実は相手の理解を得ていなかったことも一度や二度ではありません。資料を作って何度も説明し「オーケー」をもらったはずのことが、デモンストレーションして見せると「ノー」だと言われる。そんなことを何度も繰り返しました。

また、もともとAMLADは国内案件を想定して開発されたサービスであるため、開発当初は国際標準をそれほど強く意識していませんでした。しかし、今回のバチカン図書館プロジェクトを皮切りにAMLADを海外展開していくためにはどうしても乗り越えなければならない壁であり、プロジェクトを推進する中で国際標準にどのように対応していくのかがしばしば議論となりました。

Q3 “BORDER”を超えたと感じた瞬間は?

これはもうダメかな、と思った瞬間が2回ありました。1回目は交渉が煮詰まって、先方から交渉打ち切りが示唆された時です。直接会ってもらえるかどうか分からない状況の中で急遽、営業担当部長と共にバチカンへ向かいました。現地到着後に、まずは以前からフィージビリティ・スタディを通して信頼関係を築いていた私がバチカン側の技術責任者に連絡を取りましたが、最初はアポイントを取ることすら苦戦しました。しかし、今回の貴重な提案機会を何とかものにしたい一心で3日間粘った結果、ようやくアポイントを取ることが出来、再度交渉の席についてもらえることになりました。どのような状況でも相手に直接会い、粘り強く熱意を伝える日本式の泥臭い交渉術が結果的にバチカン図書館から誠意があると評価されたのだと感じています。

2回目はいよいよ契約交渉が最終段階を迎えた時です。私たちはプロジェクトを統括する立場としてパートナー企業なども自分たちで選定するつもりでいましたが、急にバチカン側からストップがかかりました。実はバチカン図書館と良好な関係を築いている既存のシステム開発会社が既に手書き文献のスキャン作業に着手しており、スキャナーを始めとするハードウェアについても既存のものを拡張して使うように、というバチカン図書館側の強い要望が出てきたのです。本プロジェクトのプライムコントラクター(統括責任会社)としては、想定していなかったシステム開発会社と初めてパートナーシップを組む状況下でプロジェクトの品質・納期を守ることは簡単ではありません。しかし、バチカン図書館の期待に応えるために新規のシステム開発会社ともギリギリの調整を重ねて最善のプロジェクト体制を構築し、無事プロジェクトのスタートすることができました。

フィージビリティ・スタディ :プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討すること

Q4 これからチャレンジしてみたいことは?

プロジェクトマネージャーとして初期契約の4年を全うし、次の契約につなげていくことが目標です。また、バチカン図書館のデジタルアーカイブ化にNTTデータが取り組んでいるというニュースが世界を駆け巡ったため、北米、南米、ヨーロッパなどあちこちの図書館、公文書館、美術館などから引き合いが来ています。森本さんをはじめとする営業担当の方々と連携しながら、次の案件受注を目指した活動も始めています。

もともとソリューションを提案し、顧客と認め合いながら一緒にシステムを作り上げていくという仕事が好きなので、どの国のどんな組織であっても、同じように進めていけるはずだと考えています。次の舞台が世界のどこになるのかまだわかりませんが、ワクワクしながらビジネスを仕掛けて行きたいと思います。

Q5 学生のみなさんへのメッセージ。

NTTデータは色々なことにチャレンジできる会社です。入社して5年間は、さまざまな業務を経験する機会があり、それらを経験する中で自分のできること、やりたいことが見えてくるようになります。育成についてここまで考えてくれる会社はそうそうあるものではありません。自分自身で方向性を見出し、キャリアを形成していくことができる会社だと感じています。

また、NTTデータでは、大規模なシステム構築の仕事に携わる場合と、バチカンプロジェクトのように中規模ながらも特徴のあるプロジェクトに携わる場合があります。前者ではシステム開発の工程をじっくりと順序立てて学ぶことができます。一方、後者では若手のうちから多彩な業務を任されるため、さまざまな経験を早期に積むことが可能です。どちらが良いとは一概にいえませんが、主体的に仕事に携わっていく積極的な姿勢を持てば、どちらの場合でも必ず将来役に立つスキルを若手のうちから身に付けることができると思います。

プロジェクトへの関わり方

OLDER NEWER

  • OCT.
    2012
    2012年10月
    開発に尽力したデジタルアーカイブサービス「AMLAD」の提供を開始。
  • NOV.
    2012
    2012年秋
    バチカン図書館から打診がある。廊下ですれ違った上司から、バチカンというキーワードを初めて聞かされる。
  • DEC.
    2012
  • JAN.
    2013
  • FEB.
    2013
    2013年2月
    技術営業の立場でバチカン図書館を訪問。フレスコ画に囲まれた貴賓室で、ヒアリングに臨む。
  • MAR.
    2013
  • APR.
    2013
    2013年4月〜7月
    フィージビリティ・スタディを実施。プロジェクトマネージャーとしてバチカン図書館と調整しながらスタディの進捗を管理。
  • MAY
    2013
  • JUN.
    2013
  • JUL.
    2013
  • AUG.
    2013
  • SEP.
    2013
    2013年9月
    契約に向けた交渉が始まる。デジタルアーカイブ化にかかる費用の負担を巡り難航。森本らが全社プロジェクトで新たなビジネスモデルを発案し、提案。
  • OCT.
    2013
    2013年10月
    交渉打ち切りの示唆を受け、営業担当と共にアポイントのない中急遽ローマへ。自身で信頼関係を構築したバチカン側の技術責任者へ3日間粘って面会し、交渉継続となる。
  • NOV.
    2013
  • DEC.
    2013
  • JAN.
    2014
  • FEB.
    2014
  • MAR.
    2014
    2014年3月
    4年間の初期契約を締結。調印式及びプレスカンファレンスに立ち会う。ローマ法王も使用する公式の会見場で執り行われた。
  • APR.
    2014
    2014年4月
    プロジェクトマネージャーとして日本とイタリアを行き来する生活が始まる。
  • MAY
    2014
  • JUN.
    2014
  • JUL.
    2014
  • AUG.
    2014
  • SEP.
    2014

他のプロジェクトメンバーの視点

開発担当

高橋 由香

高橋 由香

NTTデータ イタリア出向中。

情報学研究科 社会情報学専攻修了。2006年入社。公共システム事業本部に配属となり、国立国会図書館デジタルデポジットシステム開発、AMLAD開発を手がけた。2014年からNTTデータ イタリアに出向し、現地の電子化チームのリーダーとしてバチカンプロジェクトを遂行している。

このメンバーのインタビュー

営業担当

森本 雄

森本 雄

公共システム事業本部

環境情報学部 環境情報学科卒業。2007年入社。公共システム事業本部に配属となり、開発業務に従事。入社2年目に営業担当へ異動し、省庁営業を経て2012年からバチカンプロジェクトを担当。現在はAMLADを用いた海外ビジネスの企画を担当している。

このメンバーのインタビュー

※掲載内容は取材当時のものです

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