PROJECT
STORY 01

開発担当
高橋の視点から見る
プロジェクト

高橋 由香
NTTデータ イタリア出向中。

Q1 プロジェクトにおけるあなたの役割とは?

国立国会図書館案件で開発を担当していたため、プロジェクトの立ち上げ当初から有識者の一人として、どのようなシステムにするのか、どのように運用していくのかといった検討に参加してきました。2013年4月からのフィージビリティ・スタディでも約3カ月現地に滞在して検証作業を行っていました。そして、NTTデータ イタリアに出向する形態で2014年7月からローマに駐在しながら現地の電子化チームのリーダーとして本プロジェクトに携わっています。

現在、私が担当しているのは、バチカン市国認定のスーパーチューターと呼ばれる仕事です。スキャンした画像に歪みや異物の付着はないか、文字が全て読めるかどうか等の観点から保管データの品質を最終チェックするのが主な作業内容です。バチカン図書館が実施している3カ月の研修を受けて、スーパーチューターの認定を受けました。現在、バチカン図書館が所蔵する資料に直接触れることができる日本人は私のみです。また、契約期間内に3,000冊の電子化を終える約束を守るべく作業の進捗管理も行っています。さらに、AMLADの開発に携わった経験を活かして、仕様の調整等も担当しています。

Q2 プロジェクトのなかで感じた“BORDER”とは?

高橋の駐在するバチカンの風景

受注後に詳細に要件を詰めていくにあたり、NTTデータとしてベストな開発方法・仕様をご提案したところ、バチカン図書館の担当者に「由香の言うことは分かった。でも、全てをゼロから一緒に創っていきたい。」と言われました。日本でも提案内容が受注後変更になることはありますが、全くのゼロに戻ることはそうありません。自分としてもかなり時間をかけて仕様を詰めた提案だっただけに、とてもショックを受けました。横にいた杉野さんは、わりと冷静に受け止めていたようでした。

今にして思えば、これが文化の“BORDER”だったのかもしれません。日本人は何か提案を受けた場合、その提案内容をたたき台にして議論を重ねることで、合意できる内容にしていくのが一般的ですが、バチカン図書館の担当者はお互いの持ちうる能力・情報をすべて開示し、そこから一緒に考えていくほうが合理的だと考えていたのです。

Q3 “BORDER”を超えたと感じた瞬間は?

大きなショックを受けた私ですが、その後お客様から既存の文書保管の方法などについて1か月に渡って説明を受ける機会をいただきました。バチカン図書館の担当者は博士号を持つ専門家だったので、バチカン図書館特有の仕様だけでなく、アーカイブに関する考え方やスキル等についても学ぶことが多々ありました。また、私の提案が全く却下されたわけではなく、AMLADについてきちんと理解した上で、活用していく考えがあることが相手の話の中から伝わってきました。この1カ月の間に私の気持ちは大きく変化し、自身の“BORDER”を超え、仕様調整に臨むスタンスを変えるに至ったのです。その後、仕様調整はスムーズに進むようになり、現在では非常に友好的な関係のなかで仕事をすることができています。

Q4 これからチャレンジしてみたいことは?

いつも一緒に仕事をしているバレリアさんと

バチカン図書館で歴史的遺産に実際に触れながら、人類への貢献ともいえる仕事に携わることができているのは大変光栄なことだと感じています。仕事をする上では、NTTデータ イタリアで共に働く仲間にも恵まれました。私は特にバレリアさんと親しくさせてもらっています。彼女は大学で古文書学を勉強してきており、アーキビスト(公文書に関する専門職)としてこのプロジェクトに参加しています。私は国立国会図書館、秋田図書館のシステム開発経験から図書館業務を理解したつもりでいましたが、バレリアさんと話すことで、アーカイブが実は大変奥深い仕事であることに改めて気が付きました。

3年間はイタリアに駐在しながらこの業務に携わることになりそうなので、この機会にアーカイブについてより一層掘り下げて勉強したいと思っています。マニュスクリプトの背景を知るために、ローマ史も勉強中です。また、以前はグローバル案件にそこまで強い興味を持っていなかったのですが、いまは英語、イタリア語を身につけて、バチカンプロジェクトで得たノウハウを世界中に展開していきたいと考えています。

Q5 学生のみなさんへのメッセージ。

私は就職活動当初から携わりたいプロジェクトが明確でした。二酸化炭素の排出権取引に関するシステム開発です。しかし、実際には英語が大の苦手だったこともあり、入社してからは年金や職業安定所、図書館など国内顧客向けのシステム開発に携わってきました。ところが、今回急遽イタリア駐在が決まり、英語を使わないと仕事も生活もできない環境に放り出されることになったのです。最も苦手な環境の中で、入社時の希望とは全く異なる業務に就いていますが、今は毎日がとてもエキサイティングで、充実した日々を送っています。

みなさんにお伝えしたいのは、仕事の面白さは、やはりやってみないとわからないものだということです。希望と異なる配属だったらどうしようかと悩むよりも何でも「まずはやってみよう」「与えられた環境で一つでも多く吸収しよう」という前向きなマインドが大切です。また、「英語が出来る=仕事が出来る」と勘違いされる方が多いですが、英語は単なる道具でしかありません。英語で何を伝えるのかがとても重要であり、伝えるべき「何か=技術や知識」を身に付けることが第一優先です。もちろん、英語が出来ることでキャリアの幅が拡がることは事実なのでグローバルビジネスに興味がある方は今のうちから英語力を先に高めておくに越したことはないと思います。今になって私も「もう少し勉強しておけばよかったな」と感じていますので時間のあるうちに取り組まれると良いと思います。

プロジェクトへの関わり方

OLDER NEWER

  • OCT.
    2012
    2012年10月
    開発に尽力したデジタルアーカイブサービス「AMLAD」の提供を開始。
  • NOV.
    2012
  • DEC.
    2012
  • JAN.
    2013
  • FEB.
    2013
  • MAR.
    2013
  • APR.
    2013
    2013年4月
    フィージビリティ・スタディを実施。3カ月現地に滞在し、技術面でのプロジェクト遂行可否を調査。
  • MAY
    2013
  • JUN.
    2013
  • JUL.
    2013
  • AUG.
    2013
  • SEP.
    2013
  • OCT.
    2013
  • NOV.
    2013
  • DEC.
    2013
  • JAN.
    2014
  • FEB.
    2014
  • MAR.
    2014
    2014年3月
    4年間の初期契約を締結。 調印式及びプレスカンファレンスに立ち会う。 ローマ法王も使用する公式の会見場で執り行われた。
  • APR.
    2014
  • MAY
    2014
  • JUN.
    2014
  • JUL.
    2014
    2014年7月
    NTTデータ イタリアに出向。ローマに移住し、現地の電子化チームのリーダーとして電子化プロジェクトに携わる。
  • AUG.
    2014
  • SEP.
    2014
    2014年9月
    バチカン図書館の実施する通常1年かかる研修を3カ月で集中して受講し、バチカン市国公認のスーパーチューターの資格を取得。

他のプロジェクトメンバーの視点

開発統括

杉野 博史

杉野 博史

公共システム事業本部

工学研究科 原子核工学専攻修了。1990年卒。プロジェクトマネージャーおよびアーキテクト(システム設計に関わる技術者)として、公共システム事業分野で数々のシステム提案及び開発を手がけてきた。

このメンバーのインタビュー

営業担当

森本 雄

森本 雄

公共システム事業本部

環境情報学部 環境情報学科卒業。2007年入社。公共システム事業本部に配属となり、開発業務に従事。入社2年目に営業担当へ異動し、省庁営業を経て2012年からバチカンプロジェクトを担当。現在はAMLADを用いた海外ビジネスの企画を担当している。

このメンバーのインタビュー

※掲載内容は取材当時のものです

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