OVER THE BORDER

PROJECT
STORY 04

日本初のソフトウェアロボットWinActorで
NTTデータが「働き方改革」の扉を開く。

pickupword: AI

働き方の抜本的な改革を行い、多様な労働形態を可能とする「働き方改革」が強く叫ばれている。これは長時間労働を排し、一人ひとりの意思や能力、個々の事情に応じた、柔軟な働き方を選択可能とする社会の実現をめざすものだ。ただし、その実現には生産性の向上が不可欠であり、近年、急激に注目を集め始めているのがRPA(Robotic Process Automation)である。WinActorは2010年にNTTグループが開発した日本初のRPAソリューション。ExcelやWord、ブラウザはもちろんOCR(光学式文字読取装置、Optical Character Recognition/Reade)や業務システムまで、Windows端末で操作可能なあらゆるアプリケーションの操作手順をシナリオ通りに実行する。ホワイトカラーの現場に革命を起こすWinActorで、NTTデータが「働き方改革」の重い扉を、今開こうとしている。

MISSION

IT × ソフトウェアロボットによる「働き方改革」の実現

2018年1月、安倍晋三首相は施政方針演説で、第3次再改造内閣の目玉施策である「働き方改革」を改めて「最大のチャレンジ」と強調した。しかし長時間労働を排し、多様な働き方を実現しようとするそのチャレンジには、二律背反の課題が立ち塞がっている。すなわち、一人当たりの労働時間を引き下げようとする一方で、少子高齢化による労働年齢人口の減少が避けられないという現実だ。労働時間と労働人口の両方が減少すれば、生産量が必然的に減少し、経済は停滞する。それを避けるにはふたつの減少を補って余りある生産性効率の向上が不可欠だ。そうした現状にあって、現在もっとも注目を浴びているのがRPAである。

RPAはこれまで人間が行ってきたPCによるアプリケーションの操作をシナリオとして記録し、高速で再現してくれる「ソフトウェアロボット」のこと。労働者として業務処理を代行する様子から、Digital Laborや仮想知的労働者とも称される。欧米では2015年頃から注目され始め、有力な商品もいくつか開発されたが、日本では最近まで認知度が低かった。とはいえ、日本が欧米企業に比して開発が出遅れていたわけではない。2010年にNTTアクセスサービスシステム研究所が生んだWinActorは、わが国初のRPAソリューションと言われており、その操作性の高さは群を抜いている。だが製品開発当初、そのポテンシャルは知られていなかった。

その知られざるポテンシャルに光を当てたのが、NTTデータ第四公共事業部OCRソリューション担当チーム(当時)だ。OCRはNTTデータが40年にわたり研究開発を続けている技術である。以前はシステムインテグレーションの中で活用する秘伝の技術として扱っていたが、2008年にPrexifort-OCRとしてパッケージ商品化に成功、今では英語はもちろんスペイン語やベトナム語、中国語にも対応し、グローバルでも展開するまでになった。OCRを事業の軸としていたこともあり、当初はWinActorをOCRのオプションとしてセット販売するケースが多かった。しかし、営業チームリーダー(課長の中川拓也)がPrexifort-OCR展開のために出張していたスペインで、ソフトウェアのロボットで人の作業を代行する「RPA」の概念に触れたことで、WinActorは一躍主役に躍り出ることとなる。それまでのIT業界は、アプリケーション開発を通じて業務の効率化を実現してきており、アプリケーションによる効率化は既にやり尽くされていると考えられていた。だが、ソフトウェアのロボットにより代行できる人の定型作業が有りはしないかという目で業務を見直すと、当のアプリケーション自体を操作するという定型作業がオフィスに大量に残っていることが見えてきた。これまで自分たちが提供していたPrexifort-OCRは「文字入力ロボット」であり、WinActorは「Windows操作ロボット」であること、両ロボットを活用すればお客様が苦労している定型作業をまだまだ自動化できることにも気づいた。

WinActorホームページへ

そうして第四公共事業部OCRソリューション担当は、RPAソリューション担当と看板を替え、WinActorを「NTTデータの提供するRPAソリューション」として大々的に売り出すことを決意する。もちろん勝算はあった。誰もが「仕方のないこと」と効率化を図ろうとも考えなかった定型作業をロボットが代行する。それがどれほどのインパクトを持つかは具体例で見れば明らかだ。たとえば工事施工会社が現場に施工指示を出す場合、まず受注管理システムから工事情報を抽出し、住所や電話番号が保存されている顧客管理システムのデータベースから必要情報を追加、最後にWebの地図ソフトから該当する住所で検索して地図を画像に変換して指示書に貼り付ける、といった定型作業を担当者が何万件も処理していた。その手順をWinActorでシナリオ化して実行させれば、もう担当者がPCの前に貼りつく必要はない。人は膨大な定型作業から解放されるのだ。WindowsPCから操作できるアプリケーションであれば、なんでも自動化できるWinActorは、ホワイトカラーの働き方を激変させる力を秘めている。しかし、プロジェクト発足当初は、「RPA」という概念そのものが一般的でなく、理解してもらう段階で苦労した。展示会への出展をはじめとする広報活動や顧客営業であるCR(Customer Representative)向けの研修会など地道な活動を続ける日々が続いた。

状況が一変したのは2016年の夏頃だ。一度導入すればWinActorのポテンシャルは肌身で実感する。購入者の口コミで評判が広がり、一気に火がついた。安倍内閣の政策に呼応し、さまざまな企業が「働き方改革」に力を入れ始めたことも追い風となった。WinActorの購入希望や、WinActorの販売代理店希望の連絡で電話は鳴りやまず、読みきれないほどのeメールが溜まった。この状況に対応するため、RPAソリューション担当チームは、メンバーの増員はもちろん、ヘルプデスクの設置や、代理店網の整備、教育制度の確立などなど、次々と打開策を打ち続けた。当初10名でスタートしたOCRソリューション担当チームが、今では150名を超えるRPAソリューション担当へと成長し、販売パートナーも100社を超えた。WinActorは海外製のRPA製品を押さえ、国内RPAシェア1位となり、NTTデータもRPAのリーディングカンパニーと呼ばれるまでになっている。しかし、めざすゴールはまだ先だ。ひとつは100社を超えた特約店各社の本業を活かす新ビジネスを一緒に企画開発し、RPAエコシステムを進化させること。もうひとつは、国内シェア1位で満足せず、RPAをNTTグループの事業の柱にまで成長させ、世界シェア1位を獲得することだ。そのため、RPAソリューション担当チームは現在も、管理統制ロボットWinDirectorの機能強化や、Prexifort-OCRのAIによる強化、WinActorのクラウドサービス化など、矢継ぎ早に「次の一手」を打ち続けている。ここではOCRソリューション担当チーム時代からWinActorに関わり続けてきた商品開発・サポートチームのリーダー佐藤善毅、公共・金融分野営業チームリーダーとして活躍する橘俊也、2017年に助っ人としていきなり超多忙なプロジェクトの渦中に飛び込んだ志水宏美の3人に、プロジェクトの醍醐味や苦労、今後の可能性について語ってもらう。

左から橘、志水、中川、佐藤

PROJECT FORMATION

※提案時の体制

PROJECT MEMBER

開発管理、技術支援管理担当

佐藤 善毅

佐藤 善毅

第四公共事業部
RPAソリューション担当

経済学部卒業。2002年入社。入社1・2年目は公共システムの支援系のツール、システムの開発を担当。3〜5年目に業務系の開発に携わり、大規模システムのシステム構築を経験。2008年には公共システムの企画提案から運用まで、大規模システムの更改に関わる一連の流れを経験した。OCR(光学式文字読取装置)の企画開発を担当していた時に、WinActorとの親和性を見出し、早期にWinActorの技術を習得し、プロジェクトの黎明時代から開発、業務支援を担当している。

このメンバーのインタビュー

営業担当

橘 俊也

高橋 由香

第四公共事業部
RPAソリューション担当

大学時代は電気通信学部で人間コミュニケーション学を専攻。2008年の入社以来、行政システムの開発チームで最適化プロジェクトのアプリケーション開発や運用保守などを担当した。2011年にはライフサポート事業本部戦略企画室でマイナンバー制度に関する戦略検討を実施する企画チームへ参画、実証実験等を実施した。2013年、本プロジェクトの前身であるOCR・ソリューション担当に異動、現在は開発経験豊富な“理系の営業”として、チームとお客さまの信頼に応えている。

このメンバーのインタビュー

営業担当

志水 宏美

志水 宏美

第四公共事業部
RPAソリューション担当

2016年入社。人間科学部出身。入社1年目は、救急医療ソリューション担当として自治体向けの医療情報提供システムサービスの営業を担当した。2017年2月に現在のRPAソリューション担当に異動、社内の顧客営業と連携して公共・金融分野のお客さま向けに、提案営業に従事している。

このメンバーのインタビュー

※掲載内容は取材当時のものです

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