Project Story
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新ブランド「Tangity」を立ち上げ、
サービスデザイン領域で世界を先駆ける。

2020年6月、NTTデータグループは、サービスデザイン領域におけるデザイナー集団の新ブランド「Tangity(タンジティ)」を立ち上げた。NTTデータグループは、以前からサービスデザインの有効性に着目し、世界各国の金融機関、製造・流通業、官公庁をはじめとした幅広いお客さまとともに、新規サービスの企画・開発を進めてきた。また、サービスデザインを実践する場としてデザインスタジオを運営し、各スタジオをつなぐネットワーク(NTT DATA Design Network)を構成し、人材・ノウハウの共有も進めている。新ブランドTangityは、NTT DATA Design Networkに所属するデザイナー集団のブランドで、まず日本・イタリア・ドイツ・イギリスの4カ国で利用を開始している。新ブランド立ち上げに伴うスタジオ間の連携強化により、NTTデータはサービスデザイン領域のデザイナー育成・獲得を進め、サービスデザインによるお客さま・社会への提供価値の最大化を図る。

Project Member

※掲載内容は取材当時のものです

Missionデザイン思考 × ITが生み出すソリューション

近年、サービスを利用する人の視点に立ち、その体験をより良いものへと設計する「サービスデザイン」の重要性が高まっている。企業の事業創出やサービス開発においてもユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)が重視され、サービスの設計そのもの、ソリューションの考え方そのものが大きく変わりつつある。デザインマネジメント国際団体であるDMI(Design Management Institute)は、その研究報告「Design Value Index 2015」において、「『デザイン』を重視する企業は、その他の企業に比べて2倍の成長を遂げた」とサービスデザインの有効性を強く指摘している。

NTTデータグループは、サービスデザインの重要性にいち早く着目し、世界各国で提供するソリューションにデザインサービスのアプローチを取り入れてきた。たとえばNTTデータイタリアではVodafone Italiaのセカンドブランド「ho.」の立ち上げ支援にサービスデザインを活用し、検討開始から8カ月でサービスのリリースを実現している。ho.のユーザー数は150万に達し、売上高は当初予測の10倍を記録するなど成功を収め、顧客満足度でもイタリアの携帯キャリアで最高水準を獲得している。

現在、サービスデザイン領域を実践する場として、NTTデータグループは世界16拠点にデザインスタジオを設立。各スタジオをつなぐネットワーク(NTT DATA Design Network)を構成しながら、各国における人材・ノウハウの共有、グローバルの先進事例の活用やプロジェクト連携を進めている。日本では、2018年に東京・六本木にデザインスタジオ「AQUAIR」を設立し、プロジェクト活動や各種イベントを実施してきた。

TangityはこれらNTT DATA Design Networkに所属するデザイナー集団のうち、日本・イタリア・ドイツ・イギリスで展開するブランドだ。ブランド名は実体があることを意味するTangibleを語源とし、無形化・複雑化するデジタルビジネスにおいて、人にとってわかりやすく手触り感のあるものを作り上げていくことを意図して名付けられた。各国共通のブランド名を全面に押し出していくことで、NTT DATA Design Networkの認知向上と、他ブランドとの差別化を図っていく。

Tangityの特長は、サービス開発の企画段階からシステム開発までをシームレスに提供できる点にある。サービスデザイン界では、アクセンチュアのFJORD買収やマッキンゼーのLUNAR買収、博報堂のIDEO出資、電通とfrogの提携など、ここ数年デザインファームの買収や提携が活発だが、ものづくりやシステム運用でも強みを持つ企業が独自にブランドを起ち上げたのは世界的にも珍しい例だ。

Tangityはサービスデザインの活動で得た気づきを、後続のシステム開発・運用へと確実に反映できるNTTデータの強みを活かし、グローバルで事例・人材の共有を促進し、統一したメソドロジー(方法論)を体系化。各国事情に合わせたカスタマイズで、ベストプラクティスを全世界に提供していく。

新ブランドの滑り出しは好調で、2020年時点の公開案件だけでも、世界各国で100以上のプロジェクト活動が実施されている。

今後、NTTデータグループは、NTT DATA Design Networkの取り組みを強化するとともに、新ブランドTangityを世界で展開。広くデザイナーの獲得と育成にも力を入れていく。