Interviews
08

情報通信における
社会インフラであるデータセンター。
その構築・保守に、
学んできた知見を活かしています。

ファシリティマネジメント
(建築系)
高橋 翼 工学研究科 建築学専攻修了
2012年入社

いま携わっている
プロジェクト

社会インフラを支える自社データセンターの構築プロジェクト

私は入社以来、ファシリティマネジメント(以下、FM)事業部に所属しています。
ファシリティという言葉にはあまり馴染みがないと思いますが、企業が事業を行う上で不可欠となる土地やその土地に建っている建物、建物を構成している設備のことを指し、経営資源として重要な要素に位置付けられています。
FM事業部では大きく分けて2つの業務を行っています。一つ目は、安心・安全を基軸に社会基盤となる情報システムを支えるデータセンターを企画〜構築・運営まで一貫して行う業務です。二つ目は、社員のワークスタイル変革を就業環境の面から後押しする業務です。後者は具体的には、社員がより創造的に就業するためにはどのようなレイアウト・設備が好ましいのかなどの検討を行いながらオフィスの空間デザインを企画し、実際に構築・運営までを行っています。
現在、私は前述した一つ目のデータセンター提供業務を中心に携わっています。みなさんにとってNTTデータはシステムインテグレーション事業者のイメージが強いかもしれません。しかし実は、全国21か所にデータセンターやオフィスビルを保有する国内最大級のデータセンター事業者でもあります。その中でFM事業部は、経営戦略に基づくデータセンターの企画、構築計画の策定、構築工事の実施、構築後の維持・運営などデータセンターに関するあらゆる業務を行っています。また、今後新たなデータセンターの構築計画もあり、活気溢れる日々を送っています。
データセンター関連業務を行うにあたり、FM事業部には大きく分けて電力系と建築系の2分野のスペシャリストが多く在籍しています。私自身は建築系のスペシャリストとして、地震等の災害時でもデータセンターとしての機能を維持しつづけるための建物構造の検討、24時間365日安定稼働が求められる空調設備の設計、NTTデータグループのオフィスプランニング等幅広く業務に携わる機会に恵まれています。
現在私は、データセンターの建築工事だけでなく、建物のライフサイクルの終局に当たるデータセンターの解体プロジェクトにも参画しています。本プロジェクトはFM事業部創設以来、初めてのプロジェクトです。解体工事開始前の準備として、まずはビルの利用停止に向けた段取りが必要となるため、解体工事が始まる1年以上前からワーキンググループを立ち上げました。ワーキングでは本解体工事が当社システムの運用に影響を及ぼさないようにシステム及び入居者の移転、電力・ガス・水道等のインフラの停止、他のビルで使用可能な設備の転用等、さまざまな項目について検討しています。

こんなこともありました
(成功談)

金融システム向けの運用オペレーションセンターの更改プロジェクトに従事した時の経験です。更改とは、経年劣化による不具合が発生するより前に計画的に新しいシステムや設備に入替・切替をおこなうことを指します。単なる入替・切替に留まらず、このタイミングを活かしてその時のお客様ニーズや時代に合わせた機能の追加、強化を行うこともあります。
お客様目線で考えた際に、今回の運用オペレーションセンター更改の主な目的はセキュリティ強化とシステムオペレーションに関わる運用改善を行うことでした。FM事業部では建物の消防法や建築基準法などの法律、セキュリティ設備の使用制約やシステムの運用管理者が提示する運用条件をクリアするために一つひとつの問題について検討し、ファシリティ面の設計提案から工事計画の策定、工事の進捗管理、完成後の品質検査を経てお客様への引き渡しまで実施しました。
私はこのプロジェクトに主担当者として従事しました。システムの運用管理者との打ち合わせを重ねる中でこの運用オペレーションセンターでは頻繁に金融機関向けのセンター見学会が開催されていることを知りました。センター見学会では、金融機関のお客様に実際に目で見ていただきながらNTTデータのシステム運用体制について説明を行います。本センター見学会は、お客様にとって当社のシステムサービスが保守・運用までを含めたトータルサービスとして信頼性が高いことを認識頂くための非常に重要なイベントであると認識しました。それゆえ、設計時には見学時の動線を意識した空間の構成・デザインとなるよう工夫しました。さまざまな制約条件下でプランを実現させることは非常に骨の折れる作業となりましたが、セキュリティや運用の利便性だけではなく、見学時の導線やデザインにも配慮した新たな運用オペレーションセンターを構築することができたと考えています。また、運用オペレーションセンター開設日には参加者が総勢100名を超える盛大な式典が催され、利用者に満足いただける運用オペレーションセンターの構築ができたと肌で実感することができたことも非常に強く印象に残っています。

「建築」と「NTTデータ」はなかなか結び付きにくいかもしれません。しかし、実際には意匠、構造などさまざまな知識が活かせるフィールドがあり、さまざまな経歴を有する社員が多数活躍しています。

NTTデータのココが好き

私が感じるNTTデータの魅力は,若手社員の意見にも真摯に耳を傾け、尊重してくれる風土があることです。また、意見を尊重してくれるだけでなく、プロジェクトの大小を問わず積極的に挑戦する機会があることも働く上でのモチベーション維持に繋がっています。
私が入社1年目の時、FM事業部内では東日本大震災の影響から保有するデータセンターやオフィスの災害対策に関する検討が幅広く実施されていました。検討項目の一つに自社が保有している高層建築物に対する長周期地震動に関する検討がありました。私は学生時代に建築の構造分野で主に振動工学を主な研究対象としておりその時得た知識を活かせるのではないかと考え、上司に対し本検討プロジェクトに参画したい旨を伝えました。私の想いを聞いた上司はすぐに災害対策担当チームへ直接交渉を行い、私は念願叶って同プロジェクトに参画することができました。
私は普段から、仕事をする上で大切なのは作業が与えられるのをただ待つのではなく、自分自身の役割は何であるのか、どのように貢献出来るのかを自ら考えて行動することだと考えています。また、「このプロジェクトに携わりたい」「こんなことを実現させたい」と自分の想いを言葉にすることも非常に大切だと感じています。上司や先輩に対して自分の意見や想いを伝えることはとても勇気のいることですが、現在の部署は個々人の自由な発言をお互いに認め合い、実現に向けた手助けをしてくれる場や風土があるため、私も自分の考えを率直に伝えてチームの活性化に繋げることができるように心掛けています。
また、実際に挑戦する際には上司や先輩が状況を把握し、方向を誤りそうな時には軌道修正をするための助言をしてくれます。それゆえ、新しいことにも安心して挑戦することができています。実際にこれまでも前述のような社会インフラを支える重要なプロジェクトに若手のうちから従事させてもらうなど、成長の機会に恵まれていると実感しています。

懐中電灯とメジャーは、現場を見学に行く際に利用したり、何かとサイズを計測する機会が多いFM職には欠かせないアイテム。メンバーはみんな、それぞれこだわりの一点を愛用しています。

来たれ!後輩諸君!!

建築系学科を専攻されている方の多くが設計事務所、ゼネコンやサブコンといった建物そのものの建設に関わる業態・職種を希望し、建設業界を中心に就職活動されるのではないかと思います。
実際私も就職活動を始めた当初はそのような進路・将来像を描いていました。ターニングポイントとなったのは就職活動の真最中に発生した東日本大震災です。これを契機に改めて世の中にある社会インフラの重要性に気付き、学生時代に勉強してきた建築の知識をインフラ構築や保守に活かしていきたいと強く考えるようになりました。
業界・企業研究を進める中で、これまでに私たちの生活に必要不可欠なあらゆるしくみを創り出してきたNTTデータでのFM職に強い興味を抱き、志望しました。就職活動を通じてこれまで知らなかった業界・会社・職種に巡り合うチャンスがあります。そのチャンスを活かして建設業界に縛られることなく様々な業界に目を通してみて欲しいと思います。そうすれば建設業界以外にも実は建築に携わる仕事が意外と多く存在することに気付くはずです。きっと今回ご紹介したFM職もその1つであり、これまで知る機会のなかった方も大勢いるかと思います。
少しでも興味を抱いた方、建築分野に留まらず複合的な技術や幅広い視野を身につけたいと想われる方は是非NTTデータにチャレンジしてみてください。

1日の流れ

9:20
出社
9:30
メールチェック
お客様やデータセンターの運用担当者などからメールが届く。
9:50
チームメンバーと朝会議
毎朝10分全員でプロジェクトの進捗状況や課題有無について確認を行う。
10:15
移動
11:00
A社様へ提案
オペレーションセンタ構築の提案を実施。
12:00
移動
12:40
ランチ
同行したメンバーと事務所に戻ってランチ。提案時のフィードバックを受ける。
13:30
検討
データセンタ解体プロジェクトの技術検討を実施。
15:00
協力会社との定例会議
工事定例会議に参加。進捗状況の確認と追加作業の指示を実施。
16:30
検討&資料作成
午後に実施したデータセンタ解体プロジェクトの技術検討の続きを実施し、資料作成。
19:00
退社
19:30
勉強
カフェに立ち寄り、一級建築士取得に向けての勉強。

※掲載内容は取材当時のものです