Interviews
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量子コンピュータといえば
NTTデータの名前がいちばん最初に
出てくるような分野に育てたい。

研究開発 矢実 貴志 技術開発本部
情報学研究科専攻
2011年入社

NTTデータとの
出会いと入社まで

技術を社会に活かせることを実感できる会社。

大学院では統計解析やデータ解析をはじめとしたデータサイエンスを学び、その中でも特にOR(オペレーションズ・リサーチ)と呼ばれる分野を研究していました。ORというのは、統計的な手法や数理モデル、アルゴリズムなどの分析方法を使って、最適な解決法を見つけ出すものです。
就職活動ではIT業界を中心に二つの軸で臨みました。一つは大学で研究していたこととつながる分野。二つ目は技術を核にしながらも、その技術を社会に活かせることが実感できる会社。NTTデータは大学の先輩たちがよく社名を挙げていましたので、就活当初より第一志望でした。NTTデータは業界ではトップの企業であり、マルチベンダーであることや、幅広い事業領域で小規模なシステムから大規模なシステムまで経験できることなどに大きな魅力を感じていました。
最終的に入社を決めた理由は、会社選びの2つの軸といちばん合っていたことです。実際、個人での研究開発だけではなく、事業を推進しているチームと連携して、社会実装まで一気通貫で携われるケースが多く、得られた研究成果を社会のさまざまな問題解決に応用、展開できる仕事に関われると思いました。もう一つ決め手となったのは、OB訪問をする中で社員の方々が生き生きと働いていると感じたことです。

関わっている
プロジェクト、仕事

量子コンピュータの技術開発とお客様への導入支援。

現在、技術開発本部に所属し、量子コンピュータの研究開発を行なっています。量子コンピュータは、従来のコンピュータ(古典コンピュータ)が0か1の値をとるビットを基本単位で計算するのに対して、量子力学的な原理を応用し、0と1の重ね合わせが可能な量子情報の最小単位である量子ビットを基本単位として計算するコンピュータです。量子コンピュータは、スーパーコンピュータが1万年かかる計算問題を数分で解いてしまうという、超高速コンピュータです。
一昔前は夢のマシンと言われ、その実現はまだまだ先と考えられていましたが、ここ数年急速な技術発展が起き、ITシステムを大きく革新させるかもしれないと期待が集まっています。量子コンピュータの考え方は1980年頃からありましたが、あくまでも論文の中だけの話でした。2011年に商用量子コンピュータが発表され、一気に盛り上がりを見せましたが、それでもNASAや一部の企業に限られていました。2019年に商用量子コンピュータが実開発され、ビジネス分野への活用が一気に加速しました。当社もその頃から研究開発に着手、私もその研究開発を任されました。
現在、私と5人のチームメンバーで研究開発にあたっています。私たちの役割は、自社内での研究開発と、お客様に対して量子コンピュータに関する技術支援を行うことです。前者に関しては、ハードウェアも含め、外部の研究機関や企業とタッグを組んで、どの段階まで到達しているかの検証をしたり、解ける問題と解けない問題を識別したり、そのためのアルゴリズムを考案したり、さまざまなアプローチによる研究開発を行ない、現段階でのビジネスへの応用などを検証しています。後者に関しては、量子コンピュータの導入を考えているお客様に対して、これまで当社が蓄積してきた量子コンピュータの知見に基づいた技術支援を実施。お客様のやりたい処理を理解し、そのためにはどう実装するかなど、具体的な技術的アドバイスやレクチャーなどを提供しています。

仕事の面白さとやりがい

最先端技術をビジネス分野に展開するやりがい。

量子コンピュータの研究開発の面白さは、最先端技術をキャッチアップし、学べることです。量子コンピュータの実現に向けて、世界中の企業や研究機関が日夜研究開発を行なっています。最先端の技術情報にいち早く触れ、検証し、理解する面白さ。つねに量子コンピュータ開発の最前線にいるという自負をもって、研究開発に取り組んでいます。また最先端技術のビジネス分野への応用、展開を考えることに、大きなやりがいも感じています。量子コンピュータに何ができるかまだ分からない未知の領域で、ビジネス分野での応用の端緒を開拓することは、とてもチャレンジングな仕事です。
研究開発の仕事に限りませんが、さまざまなスキルをもった人たちが、ワンチームとなりプロジェクトに取り組むところにも、仕事の面白さとやりがいがあります。私は技術チームに所属していますが、当然、技術だけで仕事が進むわけではありません。難解な技術を関係者に正しく理解してもらうために、営業担当者と適切な提案方法を議論したり、既存システムの開発者からのアドバイスをもとに新たな技術をどこに適用すべきか検討したり、得意分野の異なる人と力を合わせることで、より大きな成果を生み出すことができます。一人では得られない、チームが一体となったワクワク感を感じながら働いています。

学生へのメッセージ

学生の皆さんへ、NTTデータの良さ・魅力を3つ、アピールしたいと思います。一つは伸び伸びと技術開発ができることです。これはNTTデータの強みでもあると思っていますが、当社には優秀なマネージャーが多く、技術開発者が伸び伸びと研究開発に取り組める土俵を整えてくれます。技術はお客様のところまで届けることが重要です。その際に、確実に届けられる技術と新たな技術の二つがあります。前者だけではお客様も満足しませんし、技術開発者の成長もありません。新たな技術にトライできる土俵や案件をつくってくれるのが、優秀なマネージャーの存在です。NTTデータには、そんなビジネスのマネジメント力に長けた人材が数多くいます。
二つ目は大規模な案件に携われることと、製造から金融、官公庁まで、幅広いお客様と仕事ができること。自分の興味・関心、キャリア像、キャリアパスなどに合わせた、幅広い選択肢があります。自分はどういう分野で、どういう職種で活躍できるか、活躍したいか。自分がいちばん輝ける場所を見つけることができる環境です。
三つ目は世界に発信できることです。私自身、入社前、グローバルに力を入れていることは知っていましたが、実際、入社してみると想像以上にグローバル展開が加速していることを知りました。社員数だけで見ても、NTTデータグループ全体の半数以上が海外出身者であり、技術領域だけではなく、地域、文化、風習など、さまざまなバックグラウンドをもったスタッフがプロジェクトに参画しています。量子コンピュータの研究開発でも、常に複数の国のメンバーがオンラインで会議に参加し、活発に意見交換をしています。ぜひ、一緒に新たな技術を日本から世界へ発信していきましょう!

1日の流れ

9:00
始業
メールチェック。チームメンバーの予定やタスクを確認。
10:00
ミーティング。各メンバーから業務報告と進捗状況の確認。
各課題についての話し合いなど。
10:30
チームメンバーが作成した資料のレビュー。
11:00
量子コンピュータに関する海外情報と論文などのチェック。
12:00
昼食
13:00
引き続き、論文チェックや情報蒐集。
14:00
お客様への技術支援対応。
16:00
お客様や社内向けへの資料作成。
18:00
終業

※掲載内容は取材当時のものです