テクノロジートーク 〜NTTデータと先端技術〜
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先端技術の取り組みについて
〜テクノロジー起点で未来を描く

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  • 植 塁
    テクノロジーコンサルティング事業本部
    Data & Intelligence事業部
    デジタルサクセス統括部
    2022年入社
    データサイエンス研究科専攻

    入社後、Data & Intelligence事業部に配属される。データサイエンティストとして、テキストや音声など幅広いデータを扱い、お客様企業のデータ活用の推進や実証実験、AI技術を活用したソリューションの開発を行っている。各種新人研修後、データ分析プラットフォーム「Alkano」の検証・評価を行うプロジェクトに参画。その後、所属チームが開発している文書読解AI「LITRON®」を活用し貿易事務を効率化する実証実験プロジェクトに参画。データサイエンティストとして、貿易書類データの加工、機械学習モデルの構築や性能評価、AI訓練用AWS環境の構築、社外公開用ホワイトペーパーの執筆などに携わる。現在は、金融業界での大規模言語モデル活用に関する技術検証と、音声認識AIに関するプロジェクトに取り組んでいる。また、LITRONのソリューション開発と研究開発や、テキストデータ活用の提案業務も行っている。

  • 樋口 翔
    テクノロジーコンサルティング事業本部
    Data & Intelligence事業部
    2015年入社
    電気・情報生命専攻

    入社後、ビッグデータビジネス推進室に配属され、金融分野や法人分野のお客様向けに、オンプレミス上へのHadoop構築案件やBIシステム構築を担当する。その後、分析担当にアサインされ、社内外向けに、時系列分析による不正手続きを検知する取り組みや、不正契約検知のためのルール探索、解約者傾向分析案件などに参画する。クラウドの成長に合わせて、クラウド案件が主となり、金融機関や製造業のお客様向けにパブリッククラウド及びサードパーティツールを組み合わせた、データ分析基盤構築案件に従事。様々なデータソースから収集したデータを可視化、分析してインサイトを得ることを実現するためのシステム構築を担う。その後、クラウド上のデータ分析基盤構築ナレッジのソリューション化とソリューション展開を推進。2022年より現職。現在は、ITアーキテクトとしてデータ活用のための基盤開発や技術調査を担当している。

Question 1NTTデータにおける先端技術の方向性や方針とは
どのようなものでしょうか?

樋口

NTTデータでは、先を見据えたフォーサイト起点でのコンサルティングにより、お客様のビジネスを考え、案件を創出していくことを大きな方針としています。先端技術に対するアプローチも同様だと考えています。NTTデータにはさまざまなお客様とさまざまな案件があり、それらの取り組みや市場調査などから、将来あるべき技術の姿やビジネスの姿を考えていく。そのためにはどのような技術が必要かを考え、まだスポットライトの当たっていない、お客様の業務を変革するための技術を迅速に取り込みアセット化していく、まだ存在しないものであればお客様とともに作っていく、これがNTTデータの技術に対する方向性や方針だと考えています。

樋口さんがおっしゃった大きな方向性や方針のなかで、当社が注力技術領域の一つとして取り組んでいるのが、D&I(Data & Intelligence)の領域です。私たちの D&I 事業部は、データ活用やAIなどの先進技術を駆使して、お客様のビジネスに価値や成功をもたらすことをゴールとして最重要視しています。それが、事業部の掲げる「お客様企業のデータドリブンカンパニーへの変革をEnd to Endで支援しビジネスに成功をもたらす」というミッションです。その実現に向けて、データ活用やAIによる価値創出をワンストップで(コンサルティングからデータ分析・AI構築・データ基盤開発・システム化・運用支援・組織と人材の育成まで)支援しています。もう一つ、AIやデータ基盤などの先進技術領域において、自前のソリューションの開発とビジネス化を推進しているという特徴があると思うのですが、樋口さん、いかがでしょうか?

樋口

数年前に、お客様とビジネス課題を整理して、それらを解決するために、「将来、こういったデータ活用基盤が実現できると良い」というシステム構想を練ったことがあります。当時は実現することは難しい理想形でしたが、今、改めて当時の資料を見ると、この数年で当たり前の姿になりつつあり、お客様への展開が進んでいるなという印象を持ちます。このような状況になってきたのも、フォーサイト起点で課題をいち早く認識し、SnowflakeやDatabricksといったデータ活用基盤の課題を解決するためのソリューションを案件に取り込んでいったからこそ、実現できていることだと思います。

世界の有望なプロダクトに対していち早くアプローチし、自社のソリューションやサービスに組み込んでビジネス化していく、そこもNTTデータの強みの一つですね。

Question 2現在、具体的にどのような先端技術に
取り組んでいますか?

樋口

データ活用のための技術は、データ収集、加工、蓄積といった、データ活用を支える基盤の技術や、データ活用側、分析者視点の技術があると思います。いずれにおいても、今、求められている技術は、私達が「データの民主化」と呼んでいる目標を実現するための技術です。簡単にいえば、社内のあらゆる人が、システムの制約を意識せず、容易かつ迅速にデータにアクセス・分析ができる環境を構築し、データドリブンな経営を実現させる技術です。当然、これを実現するためには、運用保守上の課題やコスト課題、個人情報なども含まれますので、セキュリティも重要になります。私はITアーキテクトとして、データ活用基盤の構築が主な役割になりますが、基盤面で言えば、データシェアリング、パーソナルデータ活用のためのデータクリーンルームといったような、データを安全にコラボレーションさせる環境技術やクラウドネイティブなELTツール、データ活用基盤ソリューション、XOpsのさらなる簡素化・組み合わせ、データメッシュ/データファブリックアーキテクチャ、技術・法などの変化に伴うセキュリティの進化などに取り組んでいます。

私たちの事業部では、先端技術に対して大きく三つのアプローチで取り組んでいます。① BI・AI・分析プラットフォームなどの領域において、世界の有望かつ先進的なプロダクトを探索してパートナーシップを結び、それを活用してお客様に価値提供すること。②既存のプロダクトだけでは対応しきれない課題(例えば動画データの高度な活用など)に対して、コンサルティングや分析設計に加えて、スクラッチでの機械学習モデル構築・データ分析を実施すること。③テキスト・画像などを扱う先進 AI領域やデータ分析基盤領域において、自前のソリューションやサービスを開発しビジネス化すること。この③の一環として、私は文書読解AI「LITRON®」のソリューション開発や、機能拡張に向けた自然言語処理分野の研究開発にも取り組んでいます。データ分析基盤の領域では、クラウドネイティブな基盤が注目されているのでしょうか? AIの活用においても、クラウドは非常に有用だと感じています。業務ではAWSを利用することが多いのですが、使いたい時にすぐにハイスペックなサーバを用意でき、短期間であればコストも少なく済むため、試行錯誤や実験のサイクルを加速させることができています。

樋口

そうですね。オンプレミスからクラウドへの移行はもはや当たり前の流れになっていますが、クラウドネイティブというのはさらにクラウドの利点を活用かつ前提とする思想で、インフラや保守運用の課題からの解放を目指そうというものです。NTTデータでは、先ほども言いましたがSnowflakeをはじめとして、モダンデータスタックに関する国内トップクラスのエンジニアがいます。今後、お客様への展開が加速していくと思います。

データマネジメントの領域では、どんな技術がホットですか?

樋口

これまでDWHとデータレイクを分けて考えてきたものが、それぞれの利点を組み合わせた技術が当たり前となってきています。。散らばったデータを集約して一元化しようというのがこれまでのトレンドだったものが、無理矢理集約するのではなく、分散させてデータを管理するという考え方が最近は話題です。また、これを実現させるためのメタデータ管理のための技術もホットなワードだと思います。一元集約をしようとすると、グローバルな展開をしている企業では、国ごとのルールや法律もありデータを集約するのが難しい、データソースシステム側組織、IT部、データ活用組織の分断が起きて、データ活用スピードが低下するといったような、データを一元化させることで生じる課題を解決するためのアプローチですね。また、データコラボレーションといったワードもホットです。

Question 3先端技術という観点からNTTデータで働く魅力は
どんなところにありますか?

樋口

NTTデータには専門性を軸としたポジションがあり、技術力を大切にする文化があります。専門性が高い社員が多く、切磋琢磨できる環境があり、専門性を高めるキャリア志向の方が活躍できるフィールドだと思います。技術への幅広いアンテナと、新規技術を取り込んでいくスピード感。大きな企業は意思決定が遅いと思われがちですが、NTTデータはいち早く先進技術を取り入れ、若手の段階から新規技術に触れる機会が多いと思います。その他、企業規模が大きくグローバルに展開しているので、扱う技術領域が多岐にわたることや、マルチベンダーであるためアプローチできる技術に制限ないことなど、多くのメリットがあると思います。さらに技術力を身につけるための研修、制度も充実しています。

技術力の高い社員が本当に多いですよね。私の身近には、Kaggle(データ分析コンペティションのプラットフォーム)のコンペで上位入賞した先輩や、Python(データサイエンティストがよく使うプログラミング言語)のライブラリを開発している先輩がいたりします。日々、多くの学びや刺激をいただいています。また、若手社員に与えられる裁量やチャンスが非常に多いと感じています。例えば、文書読解AI「LITRON」は、当時入社1年目の社員が社内ハッカソンで開発したプロトタイプがもとになったと聞いています。

樋口

社員一人ひとりの技術に対する意識の高さと、新規技術にどんどん挑戦していこうという会社の文化風土、そして技術力を高めるためのバックアップ体制、そうしたことがうまく絡み合っているのが、NTTデータの特徴かもしれないですね。

個人的には、先進技術にただ触れるだけではなく、その技術を使ってお客様のビジネスに価値や成功を届けるところまで深く関われる点に面白さを感じています。また、データ分析やAIモデル構築だけではなく、コンサルティングやシステム化のフェーズにも携われることも、大きな魅力です。

Question 4今後の技術の方向性はどのようなものでしょうか?
そのなかでどんな役割を果たしていきたいと思っていますか?

樋口

今ある状況から何が変わるべきか、どのように変わるとより良くなるのか、その姿を実現するために今できることは何かという、つねに課題を意識することが、今後、仕事をする上でも、技術を考える上でも、重要になってくると思います。具体的な技術領域としては、データマネジメントをはじめとして、クラウド技術・基盤方式、データ分析のフロー、データモデリングなどの深い理解が求められると思います。そのなかで、私自身のキャリア目標としては、ITアーキテクトとしての専門性の軸をしたキャリアを目指したいと思っています。

AIの領域では、「安心・信頼できるAI」や「AIの倫理・ガバナンス」などが重要になるのではと考えています。最近ではテキスト生成AIや画像生成AIの技術が発展し、人間と見分けがつかないような対話をしたり絵を描いたりすることができるAIが生まれています。このようなクリエイティブなAIを活用する際には、モデルが出力した画像や文章が他者の権利を侵害してしまうリスクや、倫理的に不適切な画像や文章が生成されてしまうリスク、AIが作った嘘の画像や文章に人間が騙されたしまうリスクなど、さまざまな危険性が潜んでいます。こうしたリスクを回避する「安心・信頼できるAI」を提供するために、私たちのチームでも「説明可能AI(AIの判定根拠を人間にも分かる形で説明できるようにする仕組み)」の研究開発に取り組んでいます。このような流れのなかで、私自身も「信頼されるデータサイエンティスト」を目指したいと思っています。

就活生へのメッセージ

樋口

IT業界は変化が早いため、プロフェッショナルであり続けるために、専門性を高めて成長していこうという気持ちと好奇心を持ち続け、変化に対応していける方に期待しています。また、個人で専門知識をただ持っているだけではビジネスは動きません。専門性を持ってお客様やパートナー企業と向き合い、社会に価値提供をしていく必要があります。自立的に行動に移すことができる人材が求められていると思います。こうしたことが、結果的にNTTデータが求める人財像として定義している「考導力」「共創力」「変革力」「強い意志と情熱」につながっていくと考えています。

先進的な技術それ自体への興味に加え、「技術を駆使して社会に貢献したい・誰かを幸せにしたい」という思いを持っている方は、当社での仕事に非常にやりがいを感じることができると思います。また、技術を使って価値を生み出すために、お客様のビジネスや業界の知識を身につける必要があるため、技術に限らず興味・好奇心の幅が広い方も当社にマッチしていると思います。技術を使って一緒に未来を描いていける人を待っています。

※掲載内容は取材当時のものです