Project Story
03
サービス企画・開発担当

長瀬の視点から見る
プロジェクト

長瀬 智大 ITサービス・ペイメント事業本部

Q1プロジェクトにおける
あなたの役割とは?

大学時代は統計学を研究しており、入社後最初の配属でソーシャルデータ活用チームに加入しました。データ分析業務やトレンド分析には統計学の知識や考え方が求められるため、大学時代の経験が存分に生かせる配属先です。配属当初は主に分析業務を担当しましたが、現在は、サービス企画・開発担当として、Twitterデータを活用した付加価値の高いサービスの創出を行っています。分析業務を行った知見を活かし、新たなサービスの開発や、幅広いお客様へTwitterデータをご利用いただけるようなサービス改善を担当しています。また、SIパートナーである各社との連携も業務のひとつです。

なかでも印象的なのは、デジタルマーケティング事業に強みを持つ企業とのサービスの共同開発です。私は2019年12月のサービス立ち上げから参画し、主担当として要件定義から詳細設計、開発、実装、テストまでの一連の業務に携わりました。

今回立ち上げたサービスは、ブランドの消費行動に影響を及ぼすインフルエンサーを見つける次世代インフルエンサーマーケティングツールです。これまでのインフルエンサーマーケティングはフォロワー数の大小ベースで影響力を測ってきました。しかしフォロワー数はさまざまな要因で増減するため、その影響力は一過性に過ぎない場合も少なくありません。また、実際にどれくらいブランドの好感度アップや売上に貢献したかも明確ではありませんでした。そこで、Twitterの全量データを分析することでインフルエンサーの意識変容・行動変容効果やファン度を可視化し、真に影響力のあるインフルエンサーを抽出しようというのが、このサービス開発の狙いでした。

Q2プロジェクトのなかで感じた
“BORDER”とは?

そのブランドに真に影響力のあるインフルエンサーとは、ブランドのファンであり、その行動や発言がフォロワーのブランド好感度を向上させ、購買行動に結びつけさせる人物をさします。私たちはブランドインフルエンサーと呼んでいますが、ブランドインフルエンサーを見つけ出せば、より効果的なインフルエンサーマーケティングが実施できます。そしてブランドインフルエンサーの手掛かりはTwitterの全量データに必ず存在しています。

しかし、何をキーワードにすればブランドインフルエンサーを抽出できるのか、その影響力をどう数値化すればいいのか、問題は山積していました。たとえばブランドへの好感度を示す言葉には「好き」もあれば「ヤバい」、「エモい」など様々な表現が用いられます。次から次へと生まれ消えていくネットスラングも少なくありません。最初は特定のブランドで仮説検証を行ったのですが、なかなか思い通りの結果を出せず「ブランドインフルエンサーの可視化なんて無理じゃないのか」という弱気な発言が飛び出すこともありました。

Q3“BORDER”を超えたと
感じた瞬間は?

そうした難関を乗り越えることができたのは、NTTデータの非構造データ分析のトップランナーとしての矜持と、より効果的なインフルエンサーマーケティングを実現したいという提携企業の強い思いがあったからです。試行錯誤をかさねるうちに、ブランドインフルエンサーを抽出する際に、何に注目すべきかが徐々に明確になっていきました。たとえばプロフィールでブランドに触れている人はファン度が高く、商品購入後に評価をつぶやく人はブランドへの期待値が高いのです。このようにTwitterの全量データから行動履歴を分析することで意味を持つキーワードを抽出し、意識・態度・行動変容を起こすエンゲージメントのリレーションに着目することで、影響力を数値化することに成功しました。提携企業の担当者と日々様々な意見交換を行い、小さな分析を繰り返し行って進めていくことで、要点を整理してロジックに落とし込み、形にすることができました。

また、Twitter上には膨大な数が投稿されており、これらを網羅的に分析しようとするとシステム負荷が高くなってしまいます。これも大きな問題でしたが、チーム内で議論を繰り返し、無駄を省いて洗練させていくことで、効率よく大量データを処理できるシステムを作り上げることができました。サービスリリース後は、さまざまな企業にご利用いただきながら、さらなる改善を行っています。

Q4これからチャレンジしてみたいことは?

現在、私たちが分析するのはTwitterのテキストデータですが、SNSでは動画や画像の利用が増えています。写真に「いいね」とだけ添えた投稿も、行動変容に大きく結びつきます。そのため今後は動画や画像を含めた分析の技法、ノウハウの蓄積が不可欠だと考えています。また、今回のようなマーケティングに強みを持つ企業と組んだことで新たな付加価値の高いサービスが生まれたように、これからはさまざまな分野で強み、特色を持つ企業や機関と協働していきたいと思っています。例えば気象データとTwitterを組み合わせたらどんな化学反応がおきるでしょうか?何かおもしろいことができるかもしれません。NTTデータのデータ分析力と新しい知見やさまざまなデータを組み合わせることで、これまでにない価値をもっともっと生み出していきたいですね。

Q5あなたのTwitter利用方法は?

コミュニティごとに複数のアカウントを使い分けています。ひとつは大学時代からのつながりがあるピアノサークル。もうひとつは最近趣味で始めた競技プログラミングのコミュニティです。与えられた課題を参加者がプログラミングで解決するのですが、頭脳スポーツのような爽快感があり、ハマっています。

他のプロジェクトメンバーの視点

※掲載内容は取材当時のものです